まるくておいしいよ
ふしぎだな、と思うのは、まだ離乳食も始まっていなかった娘が、『まるくておいしいよ』に、尋常ならざる反応を示したということ。
チョコレートケーキもクッキーも、のりまきもすいかも知らないのに…!
この絵本を読み始めたのは、娘が生まれてすぐ。
最初は、ちっとも興味を示してくれませんでした。
でも根気強く読み聞かせをつづけていると・・・4カ月くらいだったでしょうか、まだどれくらい物が見えているかも定かでないとき、とつぜんにまーっと笑ったのです(笑ったように見えました)。
それからは、「まるくておいしいよ」と言って、表紙を見せると、「キター!」という目になってにんまり。
なんなら、なにも見せずに、「まるくておいしいよ」と大きな声で言っただけでにんまり。
いやはや、ふしぎだなあ。
特に好きだったのが、最後のページのすいか。
それはもう大うけでした。
なにがうけるかわからんものです。
いやはや、ふしぎふしぎ。
この本は、お腹がもうずいぶん大きくなった頃に、本屋さんでみつけました。
あぁ私の赤ちゃんはどんな本が好きなのだろう、と思案しながら、日本橋の本屋さんをぐるぐる、ぐるぐるぐるぐるしたことを今でも覚えています。
ぐるぐるぐるぐるののちに、『まるくておいしいよ』と『いないいないばあ』と『じゃあじゃあびりびり』とそのほか5冊ほどの絵本を買って。
本屋さんを出て、肩に食い込むバッグの紐に、ああ買いすぎた、と反省しつつもうれしくて。
そんな私の思いが伝わって娘はこの本に興味を……というはずは、残念ながらなく。
残念ながら断じてなくて、作者のこにしえいこさんってすごいなあ、といつも思うのでした。
それから、版元の福音館書店さんもすごい。
0.1.2えほんのシリーズは、紙の厚さとかたさが絶妙なのです。
赤ちゃんがかんだり、いっぱいさわったりしても破れません。
赤ちゃん向けの本をたくさん作ってきた福音館書店さんの知恵ですね。
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